フォトスタジオの役割

フォトスタジオの役割とは何だろうと。第一義としていい写真を撮ること、きれいな写真を撮ることという抽象的な期待が持たれるだろう。具体的に七五三を撮影する、成人式の振袖姿を撮影する、結婚式のアルバム用のスナップ写真を撮影する、就活用の証明写真を撮影するというのもフォトスタジオの役割と言える。このように列挙すると巷のフォトスタジオとは写真界のファミレスだな。ハンバーグがあってカレーがあり色んなスパゲッティーも食べられて焼肉定食やらそば定食があり、アイスクリームからドリンクバーまで何でもござれと言わんばかりの様相を呈している。

実際ポートレートを主に扱うフォトスタジオではおおよそ想像しうる撮影内容が商品としてラインナップされているし、またお客さんもフォトスタジオとはそのように考えておられるのだから、フォトスタジオとしてもそのように営業するのが妥当というものでしょうか。フォトグラファーとしては誠に厄介な構図でありますな。

 

 

言わずもがなデジタルカメラ、スマホ、さらにはウェアラブルデバイスなるものが普及してきた今日において、写真史上これほど多くのカメラを人類が手にした時代はあるまいというほどに、カメラが地球上にありふれていますね。ダゲールも上野彦馬も想像だにしなかったんじゃないかしら。まぁ、おかげで自分は飯食ってるんだからテクノロジーの進歩は肯定的に捉えようと思います。

その反面、業務上では一般人すら競合する可能性があると思うと何だかなぁと感じるのも事実です。実際ショップの店員さんが店の前で天気のいい日のいい時間にデジカメで商品撮影しているのも見かけるし、食べ物屋さんのメニューとか見たら自分で撮ってることはすぐに分かるし、デジカメ様さまです。最近の若者からしたら、高い料金払ってまでさえないおっさんに写真撮影してもらうくらいなら、自撮り棒で友達と思いのままに撮った写真の方が価値を感じるだろうか。

 

さすがにどれだけ写真が好きだって言っても、フォトスタジオを自分で持ってるなんていう本格派はなかなかいないだろうから、自分としてはフォトスタジオの役割を常々自問する次第なのですね。